障がい者グループホームの入居条件とは?対象者・手続き・必要書類を解説
2026-10-30
「障がい者グループホームに入りたいけれど、自分は対象になるのだろうか?」
「障害支援区分や障害者手帳がないと入居できない?」
「親と一緒に暮らしていても、グループホームを利用できる?」
障がい者グループホームへの入居を考え始めたとき、このような疑問を持つ方は少なくありません。
グループホームは、障がいのある方が地域で自分らしい生活を送るための選択肢の一つです。しかし、制度上の利用条件だけでなく、施設ごとの受け入れ体制や必要な手続きも関係するため、初めての方にはわかりにくい部分があります。
この記事では、障がい者グループホームの入居条件、対象となる方、障害支援区分や受給者証の必要性、申し込みから入居までの流れを解説します。
さらに、障がい者グループホーム検索サイト「福祉の和」の視点から、希望する施設に入居できない場合の対処法や、自分に合ったグループホームの探し方も紹介します。
1. 障がい者グループホームに入居できる人の条件とは?
障がい者グループホームは、障害者総合支援法に基づく「共同生活援助」という障害福祉サービスです。
主に夜間や休日に、共同生活を送る住居で、日常生活上の相談や食事、入浴、排せつなど、必要に応じた支援を受けることができます。
まずは、制度上の主な利用条件を確認しましょう。
| 確認項目 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 障がいの種類 | 身体・知的・精神障がい、対象となる難病等 |
| 年齢 | 原則18歳以上。例外的に18歳未満の利用が認められる場合もある |
| 障害支援区分 | 一律に区分1以上が必要というわけではない |
| 障害者手帳 | 手帳がなくても対象となる場合がある |
| 受給者証 | 障害福祉サービスとして利用するには支給決定が必要 |
| 就労・通所 | 制度上、全員に就労や通所が義務付けられているわけではない |
ただし、制度上の対象者であっても、すべてのグループホームに入居できるとは限りません。
施設ごとに支援体制や受け入れ条件が異なるためです。
対象となる障がいの種類
主な対象は、次のような方です。
・身体障がいのある方
・知的障がいのある方
・精神障がいのある方
・障害者総合支援法の対象となる難病等のある方
例えば、知的障がいのある方が生活習慣を身につけるために利用したり、精神障がいのある方が一人暮らしに向けた準備として利用したりするケースが考えられます。
ただし、すべての施設があらゆる障がいに対応しているわけではありません。
車いすでの生活に対応できる設備、服薬管理の支援、夜間の見守りなど、必要な支援を提供できるかは施設ごとに異なります。
年齢制限はある?65歳以上でも入居できる?
グループホームは原則として18歳以上の障がいのある方を対象としています。
一定の条件のもとで、15歳以上18歳未満の方が利用できる例外もありますが、通常とは異なる手続きが必要です。
また、65歳以上だからといって、すべての方が対象外になるわけではありません。
ただし、身体障がいのある方については、原則として65歳未満、または65歳になる前に障害福祉サービス等を利用したことがある方という条件が設けられています。
65歳以上の方の利用については、障がいの種類やこれまでのサービス利用歴などによって判断が異なるため、市区町村の障害福祉担当窓口に確認しましょう。
障害支援区分がなくても入居できる?
障害支援区分とは、障がいのある方に必要な支援の程度を示す区分で、区分1から区分6まであります。
数字が大きいほど、必要とされる支援の度合いが高いことを示します。
グループホームでは、すべての利用希望者に「障害支援区分1以上」という条件が一律に設けられているわけではありません。
一方、入浴や排せつ、食事などの介護を受ける場合は、障害支援区分の認定が必要となることがあります。
また、施設によっては、職員配置や支援体制に応じて受け入れ可能な障害支援区分を設定している場合があります。
そのため、区分が低いことや、まだ認定を受けていないことだけで、グループホームの利用を諦める必要はありません。
まずは自治体や相談支援専門員に相談しましょう。
障害者手帳がなくても入居できる?
障害者手帳を持っていない方でも、障害福祉サービスの対象として認められれば、グループホームを利用できる場合があります。
例えば、精神障がいのある方では、医師の診断書や自立支援医療受給者証などによって、障がいの状況を確認できる場合があります。
ただし、必要な証明書類や確認方法は、障がいの種類や自治体によって異なります。
ここで注意したいのは、「障害者手帳」と「障害福祉サービス受給者証」は別のものだということです。
障害者手帳を持っているだけで、グループホームの利用が自動的に決まるわけではありません。
逆に、手帳がないからといって、必ず利用できないとも限りません。
2. 制度上の入居条件と施設独自の受け入れ条件は違う
グループホーム探しで特に理解しておきたいのが、制度上の利用対象と、各施設が実際に受け入れられる方の条件は異なるということです。
例えば、制度上は利用対象でも、ある施設では夜間の医療的ケアに対応できず、受け入れが難しい場合があります。
これは、グループホームごとに建物の設備や職員配置、提供できる支援が異なるためです。
就労・通所していなくても入居できる?
グループホームに入居するために、必ず一般企業で働いていたり、就労継続支援事業所などに通所していたりする必要があるわけではありません。
ただし、施設によっては日中の活動先が決まっていることを受け入れ条件としている場合があります。
特に、主に夜間の生活支援を行う施設では、日中をどのように過ごすかが重要になります。
一方、日中サービス支援型など、日中も支援を提供する体制のグループホームもあります。
現在働いていない方や、日中の通所が難しい方は、日中の支援体制も含めて施設を探しましょう。
医療的ケアや夜間支援が必要な場合
医療的ケアや夜間の支援が必要な方は、施設の対応体制を事前に確認する必要があります。
例えば、次のような点が重要です。
・夜間に職員が配置されているか
・服薬管理について、どのような支援を受けられるか
・医療機関や訪問看護との連携があるか
・車いすに対応した設備があるか
・緊急時の連絡・対応体制が整っているか
「夜間対応あり」と表示されている施設でも、その具体的な支援内容が同じとは限りません。
見学や問い合わせの際には、必要な支援を具体的に伝えることが大切です。
施設によって受け入れ対象が異なる理由
同じ障がい者グループホームでも、施設によって特徴があります。
例えば、精神障がいのある方の支援に力を入れている施設もあれば、知的障がいのある方の生活支援を中心としている施設もあります。
また、男女別の住居、バリアフリー設備、食事提供の内容、日中の支援体制などにも違いがあります。
「障がい者グループホームなら、どこでも同じ支援を受けられる」というわけではありません。
入居条件を確認することと同じくらい、自分に必要な支援と施設の特徴が合っているかを確認することが重要です。
自分に合ったグループホームを探すには?
障がい者グループホーム検索サイト「福祉の和」では、希望する地域や施設の条件をもとに、グループホームを探すことができます。
まずは住みたい地域の施設を調べ、気になる施設の支援内容や受け入れ条件を確認してみましょう。
3. グループホーム入居までの5つのステップ
グループホームを利用するためには、施設との契約だけでなく、障害福祉サービスの利用に関する行政手続きも必要です。
基本的な流れを5つのステップで紹介します。
STEP1|市区町村や相談支援事業所に相談する
最初に、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所へ相談します。
すでに担当の相談支援専門員がいる方は、その方に相談するとよいでしょう。
相談する際は、次の内容を整理しておくとスムーズです。
・グループホームに入りたい理由
・希望する地域
・日常生活で必要な支援
・現在利用している福祉サービス
・希望する入居時期
・毎月の生活費の予算
まだ具体的な入居先が決まっていなくても相談できます。
STEP2|希望する施設を探して見学する
次に、希望する地域のグループホームを探します。
施設のホームページや検索サイトなどを利用し、所在地、料金、支援内容、空室状況を確認しましょう。
気になる施設が見つかったら、問い合わせや見学を行います。
見学時には、建物の設備だけでなく、入居者の生活環境や職員の対応、日中・夜間の支援体制なども確認するとよいでしょう。
施設によっては体験入居に対応している場合もあります。
実際に生活するイメージを持つためにも、可能であれば複数の施設を比較することをおすすめします。
STEP3|障害福祉サービスの利用を申請する
グループホームを障害福祉サービスとして利用するためには、市区町村へ共同生活援助の利用を申請します。
申請後は、必要に応じて障害支援区分の認定調査などが行われます。
申請先や手続きの詳細は自治体によって異なるため、担当窓口の案内に従って進めましょう。
施設探しと申請手続きを並行して進められる場合もあります。
STEP4|サービス等利用計画案の提出と支給決定
障害福祉サービスの利用にあたっては、サービス等利用計画案の作成・提出が必要になります。
一般的には、指定特定相談支援事業所の相談支援専門員が、本人の希望や生活状況に応じて計画案を作成します。
一定の条件のもとで、本人や家族などが作成するセルフプランによる手続きが認められる場合もあります。
市区町村による審査を経て共同生活援助の支給が決定すると、障害福祉サービス受給者証が交付されます。
STEP5|施設と契約して入居する
行政の手続きと施設側の受け入れ調整が整ったら、施設との契約を進めます。
契約時には、重要事項説明書などを確認し、サービスの内容や料金、生活上のルールについて説明を受けます。
特に、次の点は確認しておきましょう。
・家賃・食費・水道光熱費などの月額費用
・入居時に必要な費用
・職員の支援体制
・外出や外泊に関するルール
・体調不良や緊急時の対応
・退去時の手続きや費用
内容を十分に理解したうえで契約しましょう。
なお、実際の手続きの順序は自治体や施設によって異なる場合があります。
4. グループホーム入居申し込みに必要な書類とは?
入居に必要な書類は、大きく分けて「障害福祉サービスの利用申請に必要な書類」と「施設との契約に必要な書類」があります。
この2つを混同しないことが大切です。
行政への申請で必要になる主な書類
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 障害福祉サービス支給申請書 | 共同生活援助の利用申請 |
| 障がいの状況を確認できる資料 | 手帳、診断書、対象疾病の証明書等 |
| サービス等利用計画案 | 必要なサービスや支援内容の整理 |
| 本人確認・個人番号関係書類 | 申請者の確認等 |
| その他自治体が指定する書類 | 所得確認や家賃に関する資料等 |
必要な書類は自治体や本人の状況によって異なります。上記のすべてが全員に必要とは限りません。
障害福祉サービス受給者証とは?
受給者証は、障害福祉サービスの支給決定内容を確認するための書類です。
共同生活援助を利用する場合、支給決定されたサービスの種類や支給期間などが記載されます。
受給者証は施設探しを始める段階で必ず取得済みである必要はありませんが、正式なサービス利用には必要です。
施設との契約時に必要になる書類
施設との契約では、受給者証のほかに、次のような資料を求められる場合があります。
・本人確認書類
・緊急連絡先に関する情報
・健康状態や服薬状況がわかる資料
・医療機関の情報
・その他、施設が指定する書類
施設によって異なるため、見学や申し込みの段階で必要書類を確認しましょう。
5. グループホームへの入居を断られるケースと対処法
制度上はグループホームの利用対象であっても、希望する施設に必ず入居できるとは限りません。
主な理由として、次のようなケースが考えられます。
空室がない場合
最もわかりやすい理由は、希望する施設に空室がない場合です。
この場合は、近隣の別施設を探したり、施設に今後の空室予定を確認したりする方法があります。
通所先や勤務先への移動手段も考慮しながら、検索範囲を少し広げてみると選択肢が増えることがあります。
必要な支援に施設が対応できない場合
例えば、常時の医療的ケアや特定の設備が必要な場合、施設の職員配置や設備では対応できないことがあります。
その場合は、必要な支援を整理し、対応可能な別の施設を探すことが重要です。
施設独自の受け入れ条件が合わない場合
施設によっては、障がいの種類、支援体制、日中活動の状況などに応じた受け入れ条件が設けられている場合があります。
また、共同生活を送るうえで必要な支援内容について、施設側と調整が必要になることもあります。
ただし、受け入れが難しいと言われた場合でも、その理由を確認し、支援方法の調整によって対応できる可能性がないか相談することが大切です。
障がいがあることだけを理由とした不当な差別的取扱いが認められるわけではありません。
一つの施設で断られても、諦める必要はありません
グループホームごとに設備や支援体制は異なります。
ある施設で対応が難しい場合でも、別の施設では受け入れが可能な場合があります。
希望する生活や必要な支援を相談支援専門員などと整理し、複数の選択肢を検討しましょう。
大切なのは「どこなら入れるか」だけでなく、「どこなら安心して暮らし続けられるか」という視点です。
6. グループホームの入居条件に関するよくある質問
Q1. 障害年金を受給していなくても入居できますか?
はい。障害年金を受給していること自体が、グループホームを利用するための全国共通の必須条件ではありません。
ただし、入居後には家賃や食費などの生活費が必要です。
障害年金以外の収入や各種支援制度も含めて、生活費を確保できるか検討しましょう。
Q2. 生活保護を受給していても入居できますか?
生活保護を受給している方も、利用条件を満たせばグループホームに入居できる場合があります。
費用や住宅扶助などの取り扱いについては、担当のケースワーカーや福祉事務所に事前に確認してください。
Q3. 親と同居していてもグループホームに入れますか?
はい。現在家族と同居していることだけで、グループホームの利用対象外になるわけではありません。
本人が地域での生活を希望し、必要な支援がある場合には、利用を検討できます。
将来の自立した生活や、家族の高齢化に備えて相談することもできます。
Q4. 障害支援区分6でも入居できますか?
障害支援区分6の方も、制度上はグループホームの利用対象となり得ます。
ただし、必要な支援の程度が高い場合、施設の職員配置や設備などによって受け入れが難しいことがあります。
日中サービス支援型なども含め、必要な支援を提供できる施設を検討しましょう。
Q5. 受給者証がまだなくても施設見学はできますか?
受給者証の交付前でも、見学や入居相談に対応している施設はあります。
ただし、正式なサービス利用には支給決定が必要です。
施設見学と並行して自治体への申請について相談すると、入居までの準備を進めやすくなります。
7. まとめ|入居条件を確認して、自分に合ったグループホームを探そう
障がい者グループホームは、障がいのある方が地域で安心して暮らすための住まいの選択肢です。
今回のポイントを振り返りましょう。
・身体・知的・精神障がいなどのある方が主な対象
・年齢や身体障がいに関する条件には注意が必要
・障害支援区分がないことだけで、必ず入居できないわけではない
・障害者手帳がない方でも、利用対象となる場合がある
・正式な利用には共同生活援助の支給決定が必要
・施設ごとに支援内容や受け入れ条件が異なる
・希望する施設に入居できなくても、別の施設を検討できる
グループホーム選びでは、制度上の条件を確認するだけでなく、本人が希望する暮らしを実現できるかどうかが重要です。
例えば、「仕事を続けながら暮らしたい」「夜間も安心できる環境がほしい」「将来的には一人暮らしを目指したい」など、希望する生活は一人ひとり異なります。
その希望に合った施設を探すことが、安心できる地域生活への第一歩となります。
あなたに合ったグループホームを「福祉の和」で探してみませんか?
障がい者グループホーム検索サイト「福祉の和」では、全国のグループホームを地域や条件から検索できます。
入居条件や支援内容が気になる施設を見つけたら、見学や問い合わせを通じて具体的に確認してみましょう。
グループホームの費用についても確認しておきましょう
入居条件と合わせて、毎月の費用を把握することも大切です。
家賃・食費・水道光熱費の内訳や、利用できる家賃補助制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 障がい者グループホームの費用はいくら?月額料金・家賃補助・自己負担をわかりやすく解説
参考資料・出典
・厚生労働省|障害福祉サービスの内容
・厚生労働省|障害支援区分
・WAM NET|共同生活援助(グループホーム)
・神戸市|共同生活援助(グループホーム)
・東京都港区|共同生活援助について
※この記事は2026年10月30日時点の公的情報をもとに作成しています。制度や申請方法、必要書類、施設の受け入れ条件は変更される場合があります。実際の利用にあたっては、お住まいの市区町村や各施設に最新情報をご確認ください。