【知っていますか?】福祉現場で無自覚に行われがちな虐待とその対策

2024-09-18

障害福祉事業所において、虐待防止は利用者の尊厳と安全を守るための重要な取り組みです。しかし、従事者の中には「自覚なく」行ってしまう虐待が存在します。悪意がなくても、相手を傷つけてしまう可能性があるため、支援者一人ひとりが意識することが大切です。

この記事では、現場で無意識に行われがちな虐待の具体例とその対策をご紹介します。


1. 心理的虐待:無意識の言葉や態度

支援中、こんな言葉を使っていませんか?

・「何回言ったら分かるの?」
・「早くしてよ」
・「もう、こどもじゃないのにできないの?」

これらは、支援者が焦りや疲労からつい口に出してしまうことがあります。しかし、利用者にとっては威圧感や不安を与える「心理的虐待」にあたります。

対策

自分の言葉遣いやトーンを意識する
利用者のペースに寄り添い、相手の気持ちを尊重する
忙しさに流されず、一呼吸おいて対応する

2. 放置・ネグレクト:支援の後回し

「意思表示がないから大丈夫だろう」と、こんな場面はありませんか?

・トイレ介助や食事を後回しにする
・必要な声掛けを怠り、黙って放置する

たとえ悪意がなくても、これは支援の怠りと見なされます。利用者は言葉にしなくても、支援を待っていることが多いのです。

対策

・利用者の状態をこまめに確認する
・声掛けを怠らず、サポートの意思を示す
・チームで協力し、業務の偏りを防ぐ

3. 尊厳の軽視:過度な「子ども扱い」

「えらいね!」「すごいね!」と、褒めすぎてしまうことはありませんか?

利用者が成人しているにも関わらず、過剰に子ども扱いする行為は、尊厳を傷つけることになります。相手の年齢や立場に配慮した対応が求められます。

対策

・適切な言葉遣いや態度を意識する
・一人の「大人」として接する
・相手の自立や自己選択を尊重する

4. 身体的虐待:強引な支援や拘束

支援中に以下のようなことが起きていませんか?

・転倒防止のため、必要以上に身体を拘束する
・急かすあまり、強引に手や腕を引っ張る

身体拘束や過剰な誘導は、本人の意思を無視し、身体的虐待に該当します。

対策

・本人の意思確認を忘れない
・必要最小限の支援にとどめる
・安全な支援方法を研修やマニュアルで共有する

5. プライバシーの侵害:気づかぬ個人情報の漏洩

例えば、こんな状況です。

・支援中の会話で他の利用者の障害や家庭状況について話してしまう
・着替えや排泄介助を人目のある場所で行う

これらは、プライバシーの侵害に該当します。本人の尊厳を守るため、適切な環境と配慮が必要です。

対策

・個人情報の取り扱いルールを徹底する
・着替えや介助はプライバシーが守られる場所で行う
・日常の会話にも配慮し、守秘義務を意識する

自覚なく起こる虐待を防ぐために

虐待防止の第一歩は、「自分自身の行動に気づくこと」です。

・定期的な研修の実施
・事業所内での振り返りやチェックリストの活用
・第三者からの意見や外部評価の導入

日々の支援を見直し、「無自覚の虐待」をゼロにすることを目指しましょう。支援者一人ひとりの意識が、利用者の尊厳を守り、安心・安全な環境を作り上げます。


まとめ
障害福祉の現場で無意識に行ってしまう虐待は、誰にでも起こり得る問題です。大切なのは、気づきと改善の積み重ねです。利用者の立場に立ち、尊重し合える支援を心がけましょう。

事業所全体で意識を高め、安心して利用できる場所を共に作り上げていきませんか?

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